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2008年12月27日

ねこまたぎ探検隊



何かいる!

絶対なんかいるよココ。

暗くてよく見えないけど水の中でなんか動いてるよ!

ああ…

水が無くて明るくて何かがいない現場に行きたい。



ああ…ゲート閉まりかけてる…ここまでか…

  


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2009年01月06日

ねこまたぎ探検隊 2章



ここも何かいる!

あのヘドロとたまり水の中に沈んでるよ!

志半ばで力尽きて落っこちた探検家たちが

僕を見て笑ってるよ!



ていうかなんてトコ歩いてるの自分!

落ちたらでっかいポンプに吸われて篭川行きだよ!

ああ…

明るくて何もいなくてヘドロがなくて低いところの現場に行きたい。  


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2009年01月14日

終章!ねこまたぎ探検隊



何もいないよ!

あれだけ騒いでなんかいるだのこっち見てるだの

盛り上げといて、何もいないよココ。

あれですか?「真の財宝は己の心の中にある」とかいう

パターンですか?あるいは「もう少しのところで我々は

断念せざるを得なかった」とかいうオチですか?

ひろしか!

では仕方が無い。

…ねこまたぎ探検隊は不屈の闘志で調査を進めたが、これ以上の進入は

困難を極め、やむなく帰国せざるを得なくなった。

我々のスタッフは目下調査を続行中である。続報を待て!



でもってこれがこれ以上の進入。ポンプの中です。  


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2009年03月19日

復活!ねこまたぎ探検隊



またやりやがったよ!

一度終局とか言っておいてまた始めやがったよ!

しかも同じ場所だよ!

ワケワカンナイヨ!(蛙男風)

…さて。

我らねこまたぎ探検隊は長い調査の末ついに

古代の壁画を探し当てた。見よ!

これが「トリハダ彫刻図」だ!調査報告を待て!

  


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2009年03月22日

陰謀!ねこまたぎ探検隊



はめられたよ!

古代人の砦に潜入したが

まさか壁一枚後ろが大水とは…

これじゃあもし適当に作った壁だったら

溺れ天竜じゃないか!

ほら、微妙に水が染み出して…

げ、現場監督のばかや…ゴボゴボ…

(以降、通信途絶える)

  


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2009年04月22日

精密!ねこまたぎ探検隊



今日我々は梅坪の遺跡を離れ、高原町の

とある遺跡にたどり着いた。

古代の技術で作られたその石壁は

カミソリの刃でさえ通さない程の精密さで

積み上げられているという!



…ん?

昔のカミソリは厚かったんだな。

まあいいや。次回があったらまた会おう!


  


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2009年05月23日

宿敵!ねこまたぎ探検隊



水流から逃れ、どうにか地下遺跡の出口までたどり着いた
マタギを待っていたのは、黒い背広の紳士。

「おやおや、水浴びとは健康的だなマタギ君、元気そうで何より」

「…ふん、アンタが来ているとはね将軍、久しぶりだな」

かつての宿敵は不敵な笑みをたたえ、地上からマタギを
静かに見下ろしている。マタギが唇を噛みしめるのが
たまらなく楽しいかのように、くくっとのどを鳴らす。

「相変わらずしぶとい男だがここまでだ。ブツは頂いていくよ」
君はこのまま地下で遺跡と共に眠るといい」

「おや、そんな余裕をかましてまた出し抜かれても知らないぞ?
今のうちにとどめを刺して置いたほうがいいんじゃないか?」

「くく、負け惜しみを!…おい、ふたを閉めろ」

将軍の部下の手で出口の蓋が少しずつ閉じられていき、
外の光は将軍の低い笑い声と共に消えていった。

「…ちっ、やられたな。他に出口は…」

マタギは携帯電話の明かりを頼りに、脱出を試みる。  


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2009年06月13日

遺言!ねこまたぎ探検隊



マタギは出口を探し、遺跡の中をさまよい歩いた。しかし、古代の遺跡は
そうやすやすと侵入者を逃してはくれない。

「くそ、ここも行き止まりか…!」

暗く、足元のおぼつかない迷宮は、マタギの体力を少しずつ奪っていく。
焦り、不安、精神的にも追い詰められ、ついにマタギは床に崩れ落ちる。

「俺もここまでか…短い人生だった」

思えば彼の人生は冒険と挑戦の連続だった。東西南北、謎の遺跡や
洞窟を渡り歩いて栄光を欲しいままにした彼も所詮は人の子。
いざ死の瞬間に瀕してみれば、思い出されるのは故郷のあの人…

「どうか…あの人に…これだけは」

残しておきたい。二度と会えないのであれば、せめて自分がここまて
たどり着いた事だけでも、伝えたい。
マタギは最後の力を振り絞り、壁に遺志を残す。意識が、薄れて…






「…ああ…なんか…微妙に違う…」  


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2009年09月02日

脱出!ねこまたぎ探検隊



「これだ、間違いない!」

力尽きかけたマタギを死地より呼び戻したのは、探検家としての執念と
大切な人への思い、そして主人公としての責任感であった!
彼は必死の思いで立ち上がり、遺跡を這いずって進み、階段を駆け上がり、
ついに出口を開くスイッチを発見したのである。

「へへ…将軍に…目に物見せてやらにゃあいかんな…!」

マタギがはやる気持ちを抑え、ゆっくりとスイッチを入れる。と、同時に
正面の壁が轟音を立てて左右に開いていく。

「よし、野郎見てやが…なっ!あれは…!」

開く壁の先に荒ぶる獣の姿が…!地獄と現世の境界を守護し、地獄の炎と
鋭い牙とツメで通行者を容赦なく断罪する、地獄の番犬…!

「…!」
「最後の試練って訳か…!面白れえ!俺が生き返るにふさわしいかどうか
てめえの目で確かめやがれえええええええええええ!!!!!」

マタギは拳を強く握り締めると、最後の試練へと飛び掛っていく!








「うおおおおお!!!
俺には殴れねえ!殴れねえよおおおおおおお!!!」  


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2009年11月27日

潜入!ねこまたぎ探検隊



遺跡を脱出したマタギは将軍との決着をつけるべく
戦艦「ぺティグリー」へ潜入する。
幾度と無く対立し、立場は違えど考古学の情熱はお互い
激しく理解している。
だからこそ、法を犯してまで知識を追求する将軍を
この手で止めなければならない。

「エンジンルームは…どこだ?」



将軍の部下や監視カメラの目をくぐりぬけ、マタギは無数のドアを
片っ端から調べていく。

「くそ…時間が無い!早くしないと本国へ逃げられてしまう…!」

突然足元がブルッと震え、体が揺らぐ。どうやら出航したらしい。
焦るマタギの目の前に、巨大な鉄塊が姿を現す。



「あった…!」

エンジンルーム中心部、メインエンジン。
弩級の戦艦の推進力を担うだけあり、その大きさは畏怖を覚えるほどだ。
マタギはかばんからありったけの角砂糖を取り出し、給油口を開いて
じゃんじゃん放り込んだ。

「さあ、大詰めだぞ…!」  


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2010年04月03日

決着!ねこまたぎ探検隊



…果てしない水平線、音も無く沈みゆく戦艦と渦巻く水面を
醒めた瞳で淡々と見つめる男が独り。

「…」

船の乗組員が大騒ぎで脱出する中、男は全く興味が無いかのように
鼻で笑い、大きく首を振った。

「…あんたは逃げないのかい?」
「生き急ぐのは苦手でね。きみもそうなんだろう、マタギ君…」
「ハハッ、俺のはただ無精なだけさ。面倒事はさっさとすませたいから
残っているだけだ。」

将軍は静かに振り返り、マタギと正面から相対する。そして自然な動作で
腰を引き、サーベルの柄に手をかけた。

「戦艦ぺティグリーは資産をつぎ込んで購入した私の全てだ。君から
奪った宝で手に入れたものが、こうしてまた君に奪われる」
「滑稽じゃないか。笑うところかな」
「そうだな…どちらかというと怒るところだと思うが…」

平静を装いつつ、マタギも腰の刀に腕をすべらせる。

「今はむしろ楽しくて仕方ないのだよ」
「…?」
「今まで数多くの財宝や資産を抱えてきたが、どうにも心躍るものが
なくてね。ずっと疑問に思っていたんだ。だが当然の事だった。
我々は宝を探す事そのものに魅了されているのだから」

これまでの将軍とはうって変わって、その瞳は遊びに没頭して我を忘れる
幼い少年のものと変わっていた。もし彼の瞳が覗き込める距離にいたのなら
きっと、そこには同じ目をした少年が映し出されていた事だろう。
…マタギは、なぜか可笑しくなって瞳を閉じた。

「…まあな。こうやって競い合っているのが一番楽しいや」
「そうだろう?だから日が…いや、船が沈むまで遊んでいこう」
「遊び終えたらおうちに帰って、明日も宝を探そうぜ」



将軍のサーベルが揺らめいて、輝く切っ先がホタルのように静かに留まる。
マタギの刀が空を切り、澄んだ刃先に海の青が写って消える。

「「それじゃあ、始めますかぁ!!!」」

素早い踏み込みで突き出す将軍のサーベルを右にかわして、左拳で弾く
マタギはそのまま袈裟懸けに切り込む。それをバックステップで避け、
懐のダガーを投げつける将軍。切り払うマタギ。
その瞬間船が大きく揺れ動き、足元から間欠泉のように海水が噴き出した。
いよいよ本格的に沈みゆくペティグリー、もう一度切りかかる将軍、
受け止めるマタギ。

水しぶきが全てを覆い隠す。蒼で埋まる視界。そのままフェードアウト。



…そして。




「そして?どうなるの?」
「普通は死んじゃうよな二人とも。周りは海だけな訳だし」
「…もう!そんな終わり方のお話があるわけ無いでしょ!」

少女はまた私のことバカにして、とほおを膨らませる。私は苦笑いして
どうにか取り繕うことにした。

「いやいやおっしゃるとおり、この話には続きがあるんだなー」
「ほんと?次はどんな探検なの?」
「いやあ、まあ後日譚はまだまだたくさんあるから今度ゆっくり
話してあげることにして…」

機嫌が直ってくれてよかった。そろそろ彼が到着する時間だし、子供はもう
眠る時間でもあるしな。うん。
ぐずる少女を膝から下ろして、もう寝なさいと頭をなでる。

「ん…分かった…また明日ね!」
「はいよ。おやすみ」

表で車の止まる音がした。やっと着いた様だな、待ちくたびれたぞ。
さあ、出発するとしようか。
支度を始める私に、少女はきょとんとした表情で訊ねた。

「おじさん、こんな時間にどこ行くの?」
「ああ、ちょっとお話のネタを集めにね」

私は腰に右手を当てて、古いカタナをポポンと叩いて答える。

「…ねこまたぎ探検隊の、最新ストーリーさ」


THE END  


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